こんにちは!新潟市の税理士川畑です!
独立すると自分の報酬は自分で決めなければなりません。
いくらにしましょうか?
自由を与えられると、途端に暗闇に放り投げられた気分になります。
あれだけ、自由を欲していたのに。
役員報酬を決める前に、押さえておきたいポイントが3つあります。
1.事業開始後(決算後)3か月以内に決めないといけない。
2.毎月同じ金額じゃないといけない。
3.急な自分へのボーナスはNG。
3つの共通点は、利益調整禁止ってことです。
自分の報酬は自由に決められるわけですから、途中で適当に変更したり、ボーナスを急に出したりできてしまうと、利益を好き勝手調整できてしまうので、良くないわけです。
自分へのボーナスは、急ではなく、計画的であればOKです。
でも、計画できるのであれば、ボーナスとしてではなく、毎月の報酬に上乗せしておけば、毎月の手取り額も増えます。
毎月ハッピーか、たまにハッピーかどちらを選ぶかですね。
先ほどからOKとかNGとか言っていますが、これは経費になるかどうかってことです。
別にボーナスを出すのは良いのですが、経費にはなりませんよってことです。
例えば、利益が100万円出ていたとします。
そこで自分に急にボーナスを100万円出したって構いません。
会計上は、利益100万円からボーナス100万円を引いて最終的に利益が0円になります。
しかし、税金を計算する上では、このボーナス100万円は計画的ではなく、急に出てきたので、経費として認められず、利益100万円に税金がかかります。
やっぱり税理士としては、経費として認めれるように支払方法を考えるべきだと思います。
これで基本を理解しました。
じゃあ、役員報酬をいくらにするのか。
決め方は2つ。
1.利益と相談
2.お財布と相談
1.利益と相談
王道です。
独立するということは、しっかり今後の見通しを考えているハズです。
1年以内にどれくらいの売上があって、どれくらいの経費がかかって、利益がこれくらいになる予定。
その範囲内で、役員報酬を決定します。
2.お財布と相談
これは、毎月の生活費を基準とする考え方です。
最低限、毎月の生活費だけは確保しないと、貯金を切り崩していかないといけません。
貯金ががあればまだ良いのですが、貯金してきたお金は独立時に資本金として会社に突っ込んでいる場合がほとんどです。
こんな場合、会社からお金を借りなければなりません。
会社からすると、個人への貸付金ということになります。
事業を継続させる為には、銀行と上手にお付き合いしていくことも大切です。
この銀行が最も嫌うのが貸付金です。
だって、銀行が事業を継続させる為にということで、会社に貸したお金が、個人に流れていたら嫌ですよね。
ですから、お金がなくなって会社から借りないといけない、ということにならないように、毎月の生活費から計算するのです。
以上、役員報酬の決め方について2つの方法をお伝えしました。
私は、独立1期目は生活費から計算して、2期目から利益を見ながら決めれば良いと思います。
いくら独立当初に計画は立てているとは言え、やってみないと分からないことがたくさんありますから。
1期目が終わる頃には、「だいたいこんなもんか。」っていう感覚が掴めてきます。
もちろん、役員報酬を考える上で、役員報酬をいくらに設定すれば税金がトクかという話もあります。
それは、会社の利益にかかる法人税率と、個人の役員報酬にかかる所得税率が異なるからです。
これは、言い換えると、お金を会社と個人のどちらに残すのか、ということです。
これは、一概にどちらが良いとは言えませんが、私は、多少の税負担があったとしても、個人にお金を残す方をオススメしています。
なぜなら、個人のお金は自由に使えるからです。
個人のお金ならどのようにお金を使おうが、文句は言われません。
それに、役員報酬が高いと、信用力も上がって、夢のマイホームを買う為のお金だって、銀行から借りやすくなります。
単純に、自分の手取り額が増えた方が、仕事に対するモチベーションも違ってくると思います。
しかし、会社のお金は税務署が目を光らせています。
従業員さんの目だってあります。
自由には使えません。
もし、会社のお金がなくなれば、個人のお金を貸し付ければ良いんです。
会社からすると個人からお金を借りていることになりますから、借入金ですね。
先ほど、貸付金は銀行が嫌がると言いましたが、借入金は大丈夫です。
私の根底には、目先の利益よりも、自分の想いを大切にした方が良いという考えがあります。
節税の為に、自分の生活を縛るのはオススメしません。
だって、自分の生活を豊かにする為に、独立したハズでしょうから。