こんにちは!

新潟の税理士の川畑です!

 

本屋さんでは、決算書を読めるようになる為の書籍が沢山売られています。

それだけ、ニーズがあるということでしょう。

特に経営者であれば、数字に強い方が良いと思います。

しかし、「決算書を読む」前にやるべきことがあります。

それは、経理を整えるということ。

 

間違った決算書を見て、いくら財務分析をしても、全く意味がありません。

まずは、正しい決算書を作れるようにしましょう。

ほとんどの場合、貸借対照表が正しくありません。

そこで、貸借対照表が正しいかどうかチェックしてみましょう。

この作業を行うことで、貸借対照表に記載されている内容が分かりますので、自ずと貸借対照表が読めるようになります。

(損益計算書は、売上から経費を引いて、利益を算出しているだけなので、難しくありませんね。)

 

それでは、お手元に貸借対照表を準備して頂き、下記を参照しながら、左上の現金から順に確認してみて下さい。

一般的且つ大半の貸借対照表に存在しているであろう勘定科目、処理方法、留意点等を記載しておきますので、参考にしてみて下さい。

現金:小口現金やレジ金のことです。手元現金の残高と一致していますか?現金出納帳は必須です。残高が何百万円もあるとおかしいですね。

預金:通帳の残高と一致していますか?

売掛金:売上代金の未回収分のことです。取引先毎に残高が確認できる、売掛金一覧表があると良いですね。

商品:在庫のことです。毎月棚卸作業を実施していないと、正しい粗利率が分かりません。粗利率が分からないと、経営戦略は立てれません。

前払費用:翌期以降の経費の前払い分のことです。

固定資産:10万円以上の内装費、機械、車等のことです。30万円未満だと経費にしてしまっている場合もあります。現存するモノのみ残っていますか?たまに、廃棄したのに残っていたり、逆に固定資産であるにも関わらず計上されていなかったりしますので、固定資産台帳と現物を一致させましょう。

敷金:テナントを借りている場合、大家さんに預けている敷金です。計上されていないことが結構あります(笑)

保険積立金:保険料のうち、経費にできないもののことです。保険会社が発行する残高証明書と一致していますか?

買掛金:経費の未払分のことです。取引先毎に残高が確認できる、買掛金一覧表があると良いですね。

前受金:翌期以降の売上の前受け分のことです。

預り金:従業員の給与から天引きする源泉所得税、社会保険料、住民税のことです。未納はありませんか?

借入金:金融機関が発行する返済明細書の残高と一致していますか?

 

上記はあくまでも一例にしかすぎませんが、代表的な勘定科目だけでも押さえておくと、決算書の内容が分かりやすくなります。

そして、もう一つだけ。

役員貸付金、役員借入金という勘定科目はクリアにしておきましょう。

役員貸付金は会社が役員に貸し付けている場合、役員借入金は会社が役員から借り入れている場合に使います。

公私混同をしていると、この勘定科目が異常に大きくなっています。

特に役員貸付金は金融機関が嫌がります。

なぜなら、金融機関が貸したお金が、役員に流れている可能性があるからです。

 

決算書を読む前に、この記事に書いてあることからまずは手を付けてみて下さい。

正しい決算書を基に、正しい経営判断をして、自分を含め、周りの人を幸せにできる経営を心掛けたいものです。