こんにちは!税理士の川畑です!
一生懸命売上を作っているのにキャッシュがない、なんてことはありませんか?
売上にだまされてはいけません
「売上目標〇〇億円!」ってよく聞きます。
目標を持って経営されるということは素晴らしいことです。
しかし、その目標の根拠を聞くと答えられない社長が多いです。
根拠の考え方を3つ示しておきます。
①借入をしている場合は、返済できるキャッシュが残る売上目標にしましょう。
②赤字の場合は、黒字になる売上目標にしましょう。
③黒字の場合は、同業他社を参考にしましょう。(従業員一人当たり経常利益100万円を目指しましょう。)
売上よりもキャッシュと利益を大切に
経営はキャッシュと利益があれば継続できます。
赤字でもキャッシュがある場合もありますが、基本的には黒字でないとキャッシュは貯まりません。
そもそも、赤字だとビジネスモデルとして成り立っていないということになります。
赤字でも借入をすれば良いのかもしれませんが、そんなに簡単に金融機関も貸してくれません。
例え貸してくれたとしても限界がありますし、利率が高くなります。
弊所の優良なお客様は、利率1%以下で賢く借りておられます。
赤字が続くと貸しはがされる(金融機関から「返せ」と言われる)こともありました。
従って、経営者は、必ず黒字にして、手元にキャッシュを残すことに執着しなければなりません。
キャッシュと利益の大切さが理解できれば、売上を無視して良いのか?
そんなことはありません。
必要なキャッシュと利益を得る為には、どれくらいの売上が必要なのか?という視点を持つことをオススメします。
黒字なのにキャッシュが足りない
例えば、下記のようなPL(損益計算書)の会社があったとします。
売上2憶5,000万円から原価1憶7,500万円を控除して粗利7,500万円(粗利率30%)。
そして、粗利7,500万円から固定費7,200万円を控除して経常利益300万円となりました。
黒字なので立派な経営をされていますね。
しかし、年間の借入返済額が600万円あるとどうでしょうか?
借入の返済をした時は経費になりませんので、利益を原資として借入の返済をしなければなりません。
つまり、黒字ですが、キャッシュが足りないということになりますね。
この場合は、過去に稼いだキャッシュか、過去に借りたキャッシュで補うということになります。
利益を2倍にする為に必要な売上はいくら?
では、経常利益を600万円にすると、借入の返済ができそうです。
その場合の売上はいくら必要になるでしょうか?
利益が2倍になるので、売上も2倍必要でしょうか?
今まで2憶5,000万円しか売っていない会社がいきなり5憶円も売るのは至難の業です。
実際に計算してみましょう。
ポイントは必要な経常利益からの逆算です。
必要な経常利益は600万円でした。
固定費は「固定」という名前の通り、基本的には売上が上がろうが下がろうが固定ですので、7,200万円のままでOKです。
そうすると、経常利益600万円+固定費7,200万円=必要な粗利7,800万円ということになります。
そして、次が少しテクニックが必要となります。
粗利7,800万円に原価を足すのではなく、粗利率30%で割り戻して、売上を計算します。
すると、粗利7,800万円÷粗利率30%=売上2憶6,000万円となります。
5億円も必要ありませんでしたね(笑)
もし、固定費の中に減価償却費が含まれていたら、年間の借入返済額から控除して必要な経常利益を求めます。
例えば、先ほどの事例に当てはめてみると、減価償却費100万円だった場合、年間の借入返済額600万円-100万円=必要な経常利益500万円ということになります。
まとめ
これで、根拠のある売上目標を立てることができそうですね。
何事も「逆算」が大切です。
「本を読む時は、初めから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれとは逆だ。終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをする。」
ユニクロの柳井正氏が経営の教科書と称賛する「プロフェッショナルマネージャー」の一節です。
皆さんの会社の正しい売上目標はいくらでしょうか?
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