こんにちは!税理士の川畑です。

決算書の見方が分からなくて困っていませんか?

決算書を簡単に言うと

決算書には、貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)があります。

貸借対照表(BS)とは、持ち物が分かる資料です。

どうやってお金を調達して、どういう形で持っているかを表しています。

損益計算書(PL)とは、儲けが分かる資料です。

ナンボ売上があって、ナンボ経費があって、ナンボ儲かったかを表しています。

まずは損益計算書にチャレンジ

決算書の見方が分からなくて困っている社長は、まずは損益計算書が読めるようになると数字に興味を持てるようになると思います。

損益計算書の上から13種類の数字が並んでいます。

1.売上

2.原価

3.粗利(売上ー原価)

4.販管費

5.営業利益(粗利ー販管費)

6.営業外収益

7.営業外費用

8.経常利益(営業利益+営業外収益ー営業外費用)

9.特別利益

10.特別損失

11.税引前当期純利益(経常利益+特別利益ー特別損失)

12.法人税等

13.当期純利益(税引前当期純利益ー法人税等)

沢山あるのでなんだか難しそうですが、実はメチャクチャ簡単です。

意味を理解すれば簡単

1.売上は、そのまんまですね。

2.原価は、仕入のことです。

私は、財務分析をしやすくする為に、売上に連動して増減する外注費も原価として扱って、損益計算書を設計するようにしています。

いわゆる変動費ですね。

3.粗利は、正確には売上総利益と呼びます。

売上から原価を差し引いた残りのことです。

この粗利が一番大切です。

売上が1億円で粗利が1,000万円(粗利率10%)の会社もあれば、売上が5,000万円で粗利が1,500万円(粗利率30%)の会社もあります。

業種によって違いはありますが、社長は「いかに粗利を稼ぐか?」に心血を注がなければなりません。

安売りすれば簡単に売上は作れますが、粗利は稼げません。

粗利を稼げるビジネスモデルを構築することが重要です。

4.販管費は、いわゆる経費のことです。

金額が大きい経費と言えば、家賃と給与ですね。

他には、旅費交通費、接待交際費、備品消耗品費、水道光熱費、通信費、保険料などがあります。

5.営業利益は、粗利から販管費を差し引いた残りのことです。

いわゆる本業で稼ぎ出した利益のことを言いますから、金融機関はこの営業利益を重視します。

ここが赤字の場合はヤバイですね。

改善策は、粗利を増やすか、販管費を減らすかです。

計算式が「粗利ー販管費」なので当たり前ですね(笑)

粗利を増やすのは社長の仕事であり、非常に難しいです。

粗利を増やすということは、付加価値の創出ですから、相当の覚悟を持って取り組まないといけません。

一方で、販管費を減らすのはどうでしょうか?

覚悟も何もいりません。

強いて言うなら、見栄を捨てるだけですね。

豪華なオフィスにしていませんか?

無駄な飲み食いはありませんか?

過剰に保険に加入していませんか?

勘定科目を一つずつ洗い出して、見直してみて下さい。

6.営業外収益は、営業以外の収益のことなので、例えば補助金・助成金、受取利息が該当します。

7.営業外費用は、営業以外の費用のことなので、例えば支払利息が該当します。

8.経常利益は、営業利益に営業外収益を足して、営業外費用を差し引くだけです。

いわゆる「ケイツネ」ですね。

通常の事業をやっていてどれだけ儲けているかを表しています。

9.特別利益は、イレギュラーな利益のことなので、例えば固定資産を売った時の利益が該当します。

10.特別損失は、イレギュラーな損失のことなので、例えば固定資産を売った時の損失が該当します。

11.税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を足して、特別損失を差し引くだけです。

12.法人税等は、税金のことです。

だいたい税引前当期純利益の30%くらいです。

13.当期純利益は税引前当期純利益から法人税等を差し引いた残りのことです。

「税引後」なんて呼んだりもします。

まとめ

まずは、それぞれの意味を理解するところから始めましょう。

そして、細かく見てみて下さい。

そうすると、なぜ赤字なのか分かるハズです。

シンプルに粗利より販管費が多いからです。

それが分かれば打ち手が分かるようになります。

でも、大前提として、正しい決算書が出来上がってないと意味がありません。

そもそも決算書がテキトーであれば、全く経営に役立ちません。

では、正しい決算書を作ろうと思えば、どうすれば良いのか?

毎日、しっかり帳簿を作成しましょう。

現金商売なら、現金出納帳を作成しましょう。

お金の流れをしっかり記録して下さい。

当たり前のことを当たり前にしましょう。

これができていなければ、数字を経営に活かすことは到底無理です。

つまり、大きな志を持って作った会社にも関わらず、自ら破滅のリスクを抱えていることになります。

そんな矛盾を一つ正してみませんか?

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