こんにちは!税理士の川畑です!

遺言書があれば故人の想いが尊重され、遺産分割がスムーズに進みますが、遺言書が無い場合は、相続人同士の話し合いにより遺産分割が行われます。

皆さんはどのように遺産分割を行いますか?

相続人は誰?

そもそも、遺産を相続できるのは民法で定められた相続人だけです。

相続人全員の同意があっても、相続人以外の人(孫、内縁の妻等)にも遺産を相続させることはできませんので要注意です。

まずは、誰が相続人になるのかを確定させます。

どのような家族構成であっても配偶者は必ず相続人になります。

そして、子供及びその代襲者(第一順位)、直系尊属(第二順位)、兄弟姉妹及びその子(第三順位)の順番で相続人となります。

遺産分割の目安

遺産分割の目安として用いられるのが法定相続分です。

法定相続分は、誰が相続人になるかによって異なります。

1.子供がいる場合

 配偶者1/2 子供1/2 ※子供が複数の場合は子供の人数で分けます。

2.子供がおらず父母がいる場合

 配偶者2/3 父母1/3 ※父母が複数の場合は父母の人数で分けます。

3.子供、父母等(直系尊属)がおらず兄弟姉妹がいる場合

 配偶者3/4 兄弟姉妹1/4 ※兄弟姉妹が複数の場合は兄弟姉妹の人数で分けます。

しかし、法定相続分はあくまでも目安ですので、相続人全員の同意があれば、自由に分けることができあます。

遺産分割の方法

遺産分割の方法は3つあります。

1.現物分割:遺産を現物のまま分割する方法。

2.代償分割:共同相続人の一人又は数人が相続により財産の現物を取得し、その現物を取得した者が他の共同相続人に対し債務を負担する分割の方法。「私は不動産をもらうから、あなたに1,000万円支払うね。」って感じです。

3.換価分割:共同相続人が相続により取得した財産の全部または一部を金銭に換価し、その換価代金を分割する方法。「不動産のままだったら分けられないから、売ってお金にしてから皆で分けよう。」って感じです。

税理士が気を遣う分割の方法

相続人同士が揉めずに、仲良く気持ちよく相続することが最優先です。

従って、上記の3つの方法の内、好きに相続して頂いて結構です。

しかし、税を扱う立場からすると、「換価分割」はかなり気を遣います。

例えば、相続人が5人(奥さんと子供4人)いたとしましょう。

奥さんが代表して不動産を売却して1億円になりました。

1億円を5人で分けるので、1人2,000万円ずつもらえます。

ここで気を付けなければならないのが、譲渡所得が発生するかどうかです。

もし、この不動産を亡くなった方が7,000万円で取得していた場合、1億円で売れたので3,000万円儲かったということになります。

この3,000万円に対して相続税とは別に譲渡所得税がかかります。

当たり前の話なのですが、ここからがポイントです。

誰が譲渡所得税の確定申告をしなければならないのでしょうか?

代表者である奥さんでしょうか?

違います。

相続人である5人全員です。

手続きが煩雑になりすぎます・・・

まとめ

相続は揉めないことが一番大切です。

しかし、手続きが煩雑になりすぎるのも避けたいところです。

換価分割はものをお金に換えることで、遺産分割がしやすくなる良い方法なのですが、税の観点からは少し配慮が必要になります。

できれば、生前に分けやすい資産構成にしておくと良いですね。

相続でお困りごとがありましたら、お気軽にご相談下さい。