こんにちは!税理士の川畑です!
無理な相続税対策は争族に発展する可能性も否めませんのでオススメしませんが、生命保険は非常に使い勝手が良いのでオススメです。
生命保険の非課税枠
生命保険には「500万円×法定相続人の数」が非課税になる規定があります。
例えば、法定相続人が3人いる場合は、「500万円×3人」となり1,500万円まで非課税となります。
つまり、1,500万円を現預金で持っている状態で相続が発生すると、当然1,500万円に対して相続税がかかります。
しかし、1,500万円を支払って、生命保険に加入すると、現預金が生命保険に変わるため、非課税となります。
シンプルにお得ですよね。
高齢者でも加入できる
生命保険なので、ご高齢の方が加入できるか心配になられますが、90歳まで告知無しで加入できる生命保険があります。(入院中又は入院を予定されている場合は加入できません。)
この保険は、加入しても特に増えたり減ったりはしません。
単に、「現預金」を「生命保険」に変えるだけのものです。
これだけで、最低でも生命保険金の10%(相続税の最低税率10%)は節税できることになります。
生命保険金は誰のもの?
生命保険金は、受取人固有の財産です。
従って、遺産分割協議の対象とする必要はありません。
逆に、生命保険金を受け取り、他の相続人に分けると、贈与に当たる可能性がありますので注意が必要です。
このような性質から、保険金の受取申請も、相続が発生してから受取人が1人で行うことができ、すぐにお金を受け取ることができます。
これだと、被相続人の口座が凍結されて、急な資金を準備しなければいけない時でも安心ですね。
受取人は誰にすべきか?
被相続人のお考えにもよりますが、相続税だけを考慮した場合は、配偶者よりも子供にすることをお勧めします。
というのも、配偶者の場合は最低でも1億6,000万円までは相続税がかからない「配偶者の税額軽減」制度があります。
そもそも相続税がかからないのであれば、わざわざ生命保険の非課税枠を活用しなくても良いですよね。
それであれば、「配偶者の税額軽減」のような制度がない、子供にしておく方が節税効果は高いです。
孫は要注意
受取人を孫にする場合は要注意です。
この生命保険の非課税枠を使えるのは、受取人が相続人でなければなりません。
普通は孫は相続人ではありませんので、非課税とはなりません。(代襲相続や養子縁組をしている場合を除きます。)
更に、孫は一親等の親族ではありませんから相続税が2割増しとなってしまいます。
さらに、生命保険金を受け取ることによって、相続人になってしまうと、生前贈与していたもののうち、相続開始3(7)年前までのものが相続財産とみなされ、せっかく無税となっていたはずの財産に対して相続税が課税されてしまいます。
まとめ
現預金に余裕があって、生命保険の非課税枠が余っている場合は、是非生命保険の活用をご検討下さい。
ただし、受け取人は子供がお勧めです。
受取人の変更は簡単にできますので、見直してみましょう。
あくまでも、相続税だけの観点からのお話なので、まずは家族が揉めないようにすることが大切ですね。