こんにちは。
新潟の税理士、川畑です。

今回は、決算前によく質問を受ける制度、
**「少額減価償却資産の特例」**について、分かりやすくまとめてみました。

経費をしっかり使いたい年末。
この制度を知っておくと、合法的に利益を圧縮できるチャンスになります。


💡そもそも「少額減価償却資産」とは?

通常、パソコンや事務机のような資産(10万円以上)は、数年にわたって分割して経費にしていきますよね。
でも、中小企業や個人事業主には特例があって――

1つ10万円以上30万円未満の固定資産
年間300万円までなら、その年に一括で経費にできる

というのが、「少額減価償却資産の特例」です(※租税特別措置法 第28条の2)。


🛠 活用例(よくある購入品)

  • パソコンやタブレット端末

  • 事務用のデスク・チェア

  • 小型の機械や作業工具

  • エアコン・プリンターなどの設備機器

  • 店舗用の什器備品 など

※1つあたりの金額が「30万円未満」であることがポイントです。


⚠️ 注意点もしっかり押さえましょう

  1. 年間300万円まで
     超えると、通常の減価償却になります。

  2. 法人税法上の中小企業が対象
     資本金1億円以下など、条件があります。

  3. 期末に“使える状態”であること
     納品が間に合わないと対象外になる場合もあります。

  4. 青色申告していること
     個人事業主も同様に青色申告が必要です。


🧮 「買った方が得ですか?」と聞かれたら

よく、「このタイミングで備品買った方が得ですか?」とご相談をいただきます。

でも、私は「節税のために無駄なモノを買うのは、経営として本末転倒」とお伝えしています。

この制度はあくまで、“必要なものを買うときに上手に使う”のが基本。
「将来必要になる備品を、少し前倒しで買う」という感覚で使っていくのがいいと思います。


🤝 川畑から一言

税金のことって、難しい言葉や制度が多くて、つい後回しにしがちですよね。
でも、決算の前にちょっと動くだけで、資金繰りや利益の見通しが変わることもあります。

私の仕事は、単に「処理すること」ではなく、
「社長が安心して判断できる材料をそろえること」だと思っています。

「この制度、うちでも使えるかな?」
「買うなら今がいいのかな?」
そんなふとした疑問も、遠慮なく聞いてくださいね。