こんにちは!税理士の川畑です。
確定申告も一息つきました。
次は3月決算に向けて準備をしていく時期です。
一年間の業績がだいたい見えてくるとついつい考えることがあります。
経費を増やして良いか問題・・・
「足し算経営」は会社を危なくする
会社を経営していると、売上が伸びたときはうれしいものです。
「よし、このままもっと大きくしよう」と思うのは自然なことです。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
売上が増えたからといって、会社が強くなったとは限りません。
むしろ、売上の増加に合わせて経費まで膨らませてしまう会社ほど危なくなることがあります。
このような
売上が増えたら、その分だけ人も増やす、広告も増やす、固定費も増やす
という経営を、「足し算経営」と呼びます。
そして結論から言うと、
足し算経営はダメです。
稲盛和夫さんの経営の原則はシンプル
経営の神様と呼ばれた 稲盛和夫 さんは、経営の基本はとてもシンプルだと説いています。
京セラでも語られている有名な言葉があります。
「売上最大、経費最小」
つまり、経営とは
売上を最大にする努力をしながら
経費を最小に抑えること
この2つに尽きる、という考え方です。
会社の利益は、次の式で決まります。
売上 − 経費 = 利益
利益は結果です。
売上と経費の差として生まれるものです。
この原則から見ると、
売上が増えたから経費も増やしてよいという発想は、
実は経営の本質とは逆の考え方になります。
足し算経営とは何か
足し算経営とは、例えばこんな経営です。
売上が増えた
↓
人を増やす
↓
事務所を広くする
↓
広告費を増やす
↓
設備を増やす
↓
固定費が膨らむ
こうして、売上の増加と一緒に経費もどんどん増えていきます。
一見すると会社が成長しているように見えます。
しかし実際には、売上が増えただけで利益が残らない体質になっていることが少なくありません。
これは危険です。
なぜなら会社を守るのは、売上ではなく
最後に残る利益と現金だからです。
売上1.5倍、経費も1.5倍では意味がない
例えば、売上が1億円の会社が1億5,000万円になったとします。
売上
1億円 → 1億5,000万円
とても順調に見えます。
しかし、そのとき経費まで同じように増えてしまったらどうなるでしょうか。
経費
9,000万円 → 1億3,500万円
この場合、利益はそれほど増えていません。
しかも固定費が増えているため、売上が少し落ちただけで会社は一気に苦しくなります。
つまり
売上が伸びたのに会社は弱くなる
という状態が起きてしまうのです。
経営者の仕事は、経費の膨張を防ぐこと
売上が伸びると、気が大きくなりがちです。
「人を増やそう」
「設備を増やそう」
「今のうちに拡大しよう」
しかし、本当に強い会社はここで浮かれません。
売上が1.5倍になったとしても
経費は1.5倍ではなく
1.2倍くらいに抑えられないか
そう考えるのが経営者の仕事です。
売上の伸び以上に、経費の増え方を厳しく見ることが大切です。
利益は売上の大きさではなく「差」で決まる
経営は足し算ではなく、引き算です。
売上を増やすことはもちろん大切です。
しかしそれ以上に大切なのは、
その売上を得るために、どれだけ余計な経費を使わずに済んだか
です。
売上が大きくても、経費が膨らんでいれば会社は弱い。
売上がそれほど大きくなくても、利益がしっかり残る会社は強い。
会社の強さは、売上ではなく
利益の体質で決まります。
足し算経営が危ない本当の理由
足し算経営が危ないのは、利益が減るからだけではありません。
もっと怖いのは、会社の体質が重くなることです。
人件費
家賃
リース
借入返済
こうした固定費が増えると、売上が少し落ちただけで一気に苦しくなります。
平常時はうまく回っていても、
景気が悪くなった瞬間に身動きが取れなくなる。
これが足し算経営の怖さです。
まとめ
経営の基本はとてもシンプルです。
売上最大
経費最小
この2つです。
売上が増えた分だけ経費も増やしていく「足し算経営」はダメです。
それは成長ではなく、膨張です。
膨張した会社は、見た目は大きくても中身が弱い。
経営者の仕事は
「この経費は本当に必要か」
「もっと少ない経費で成果を出せないか」
と問い続けることです。
売上が上がったときこそ、浮かれず経費を見る。
そこに、会社を長く強く続ける経営の本質があるのだと思います。

