こんにちは!税理士の川畑です!

「損益計算書が読めない」という経営者の声をよく耳にします。しかし、実務的には“読むこと”よりも“自分で作ること”の方がはるかに重要です。損益計画を一度でも自ら立ててみると、数字は一気に理解できるようになります。

計画を立てることで、売上・経費・利益の関係が明確になり、同時に経費の見直しにもつながります。つまり損益計画は、経営数字を理解するための最も実践的な方法です。

損益計画はシンプルでよい

損益計画は難しく考える必要はありません。最初は次の二つだけで十分です。

・売上の計画
・経費の計画

細かい分析や精緻な数値は後から整えればよく、まずは自分で数字を使ってみることが重要です。この経験が経営者としての判断力を高めていきます。

最重要ポイントは「借入返済からの逆算」

損益計画において最も重要なのは、借入金の返済をカバーできる利益が確保されているかどうかです。

利益が出ていても資金が不足すれば会社は存続できません。例えば年間1,000万円の返済があるにもかかわらず、利益計画が100万円であれば、現金は不足し続けます。この状態では資金繰りが破綻するリスクが極めて高くなります。

そのため、まず確認すべきは年間の返済額です。そのうえで、返済をカバーできる利益を設定し、そこから売上と経費を逆算していく必要があります。

損益計算書は「下から作る」

一般的には売上から順に損益計算書を見ますが、経営においては逆の発想が重要です。

まず必要な利益を決める
次に経費を積み上げる
最後に売上目標を設定する

このように「目標からの逆算」で組み立てることで、損益計算書は結果ではなく、経営をコントロールするためのツールに変わります。

売上目標は商品別に分解する

売上目標を設定した後は、それを商品やサービスごとに分解することが不可欠です。

例えば年間売上1億円を目標とする場合でも、そのままでは具体的な行動に落とし込むことはできません。

商品A:5,000万円
商品B:3,000万円
商品C:2,000万円

このように分解することで、どの商品をどれだけ販売すればよいかが明確になります。売上目標は「行動できる単位」に落とし込んで初めて意味を持ちます。

責任者を明確にする

売上を商品ごとに分解したら、必ず責任者を設定します。

数字は責任の所在が明確でなければ達成されません。商品ごとに担当者を決めることで、目標に対する当事者意識が生まれ、組織全体の動きが変わります。

予実管理で経営の精度を高める

計画は立てるだけでは意味がありません。実際の数字と比較し、改善を繰り返すことが重要です。

毎月の実績を確認し、計画との差異を把握する
差異の原因を分析する
必要に応じて行動や計画を修正する

この一連の流れが予実管理です。予実管理を継続することで、経営判断の精度は着実に向上していきます。

まとめ

損益計画は、特別な知識や高度な技術がなくても取り組める経営改善の第一歩です。

まずは売上と経費の計画を立てる
借入返済から逆算して必要な利益を設定する
売上を商品ごとに分解する
責任者を明確にする
毎月の予実管理を行う

これらを実践することで、数字は単なる結果ではなく、経営をコントロールするための強力な武器になります。