こんにちは!新潟市の税理士川畑です!
独立のカタチは2つ。
個人と法人。
どっちで勝負しますか?
選ぶ基準はザックリ4つ。
1.信用力
2.初期費用
3.社会保険
4.税金
1.信用力
一般的に個人よりも法人の方が信用力はありますね。
お客様が法人であれば、こちらも同じ土俵に立った方が、やりやすいかもしれません。
特にお客様が大きな法人であればなおさらでしょう。
逆に、お客様が個人の消費者なら、事業形態はそんなに気にしなくてもいいかもしれません。
例えばパン屋さんとして独立する時、お客様は個人の消費者です。
そのお客様は、パンを買うときに、いちいちこのパン屋さんは個人か法人かなんて気にしませんよね。
また、従業員さんの採用活動を考えた場合も、同じようなことが言えるかもしれません。
結局は、信用力とはその「人」自身だと思います。
しかし、「人」の信用力を感じるまでにはどうしても、時間がかかるものです。
現実は、個人か法人かというカタチだけで、見られ方も変わるということを知っておくということが大切です。
2.初期費用
法人にするとどうしても初期費用がかかります。
株式会社だと約30万円。
これは、資本金とはまた別のお話。
法人にすると、役所に登録したりする時にお金がかかってしまうのです。
でも、個人だと特に必要ありません。
個人の方が手軽に始められるってわけですね。
3.社会保険
法人にすると強制的に社会保険に加入する必要があり、自分も社会保険に加入できます。
つまり、厚生年金に入れるってこと。
個人の場合は、従業員さんが5人未満だと加入しなくても大丈夫ですが、5人以上になっても、自分は社会保険に加入できません。
つまり、厚生年金に入れないってこと。
年金については、もらえるかどうかは別として、国民年金より厚生年金の方が、手厚いです。
この違いをどう受け止めるか。
社会保険料を支払うのはなかなかの負担になります。
法人で社会保険に入ると半分は法人が負担してくれているからラッキー!
っていうのは、独立したら過去のお話。
その半分を負担しているのは自分の法人です。
つまり社長である自分です。
じゃあどれくらいの負担なのか。
月額30万円の給料だと、健康保険料約15,000円、介護保険料約2,000円、厚生年金保険料約27,000円、合計約44,000円。
気を付けて下さい。
この金額は、法人が負担する金額です。
つまり、法人が44,000円、自分が44,000円、合計88,000円支払わなければなりません。
お金の流れで言うと、法人から自分に給料として支払う時に、社会保険料を天引きして支払います。
そして、この天引きした分と、法人負担分を合わせて、法人が年金事務所に支払います。
だいたい給料の額の30%くらいの支払が発生することになります。
ここに従業員さんを雇うとなると・・・
想像するのが恐ろしいですね。
とにかく、法人だと、社会保険に入らないといけなくて、その支払が大変だということを覚えておきましょう。
4.税金
税金については、ポイントが3つあります。
1.所得税VS法人税
2.消費税
3.節税
1.所得税VS法人税
個人にかかる税金は所得税。
法人にかかる税金は法人税。
この2つは税率が違います。
所得税は、累進税率といって、稼げば稼ぐだけ、税率が上がる仕組みです。
この差が、個人か法人かの議論を生み出す大きな要因となるのです。
ザックリと。
利益が少ないと、個人の方がトクです。
そして利益が増えてくると、法人の方がトクです。
2.消費税
これは、個人でも会社でも一緒。
2年前の売上が1,000万円を超えると消費税を支払わなければなりません。
消費税は重税感がハンパない税金でした。
ここで、絶対覚えておきたいことが1つ。
個人と法人は別物ということ。
つまり、個人を2年やってから法人にすると、計4年消費税がかかりません。
個人で2年やっていて、法人にすると、おそらく感覚的には事業を始めて3年目って数えますよね。
でも、個人と法人は別物ですので、法人として1年目と数えます。
つまり、法人1年目、2年目は事業を始めて3年目、4年目ということになりますが、法人としての2年前の売上はそもそも存在しないことになりますので、消費税がかからないということになります。
3.節税
ザックリと、法人の方が個人よりも節税しやすいです。
以上、個人か法人か選ぶ基準を4つお伝えしました。
特に、信用力という部分を気にしないのであれば、まずは個人で始めて、売上が1,000万円を超えてきたら、法人を視野に入れると良いと思います。
やはり、消費税の負担は大きいです。
一方で、法人にすることで社会保険料の負担もありますが、福利厚生を完備することによって、より良い人材を確保できる可能性もあります。
私は、事業をする上で、「人」という部分がかなり重要だと考えています。
個人か法人かという議論は本当に奥が深いです。
税金だけでなく、様々な要素が絡みますから。
個人的には、「法人にしたから頑張ろう!」というメンタル的要素が、今後に良い影響を与えるのではないかと考えたりしています(笑)
そんなこともあって、私なら、やっぱり売上が1,000万円を超えると、法人を選ぶと思います。