こんにちは!新潟市の税理士川畑です!

 

決算月になって、利益が300万円出ていました!

節税を考えて、なるべく利益をゼロにしたい。

「よし!300万円の車を買おう!」

よく聞きます。

実は、利益はゼロになりません。

なぜでしょう。

 

減価償却という考え方があります。

固定資産を買うと、一気に経費にできません。

ペンやティッシュ等の消耗品と違って、車やパソコン等の固定資産は一般的に長い期間使えますよね。

じゃあ、長い期間使えるんだったら、一気に経費にしてしまうのではなくて、その期間で按分しなきゃダメでしょ、ということになっています。

でも、この期間はどうやって求めるのでしょうか。

これは、法律で決められているんですね。

例えば、車でしたら6年で計算して下さいね、となっているわけです。

通常、法人は、定率法で、個人事業主は、定額法で計算します。

この定率法は、定額法よりも早い段階でたくさん償却できるという性質があります。

6年の償却率は、定率法だと0.333、定額法だと0.167で計算して下さいね、となっています。

 

そして、もう一つ注意しないといけないのは、月数按分が必要ということです。

つまり、決算月になって慌てて車を買ったとしても、12分の1か月分しか費用になりません。

 

それでは、具体的に計算してみましょう。

300万円×0.333×1/12=83,250円

300万円お金を支払っても、約8万円しか経費になりません。

これを知らずに車を買ってしまうと、シャレにならないです。

 

でも、この経費をもう少し増やす方法があります。

実は、「中古」を買えば良いんです。

なぜかというと、中古なので、耐用年数が少し短くなるからです。

つまり、耐用年数が短くなるということは、償却率が大きくなるので、経費も増えるということです。

だからと言って、新車が欲しいのに無理して中古車っていうのは、少しもったいないような気がします。

 

また、車を買うと税金や保険がかかりますよね。

これらについては、ちゃんと全額経費となりますので安心して下さい。

 

ということで、決算月に節税を求めて車を買ってみると、実はあんまりおトク感がありません(笑)

節税は、コツコツが大切。

決算月にいきなり利益がたくさん減る魔法のような節税って、実はほとんどありません。

あっても、だいたいお金が出ていってしまいます。

事業を継続する上で、手元のお金がどれだけ安心材料になることか。

経営者ならお分かり頂けることと思います。

やっぱりコツコツです。