こんにちは!

新潟市の税理士川畑です!

 

事業を継続させる上で一番大切なのは「手元のお金」。

だからこそ、だいたい資金繰りで頭を悩ませているのではないでしょうか。

そんな時は、まず流動比率を確認してみましょう。

 

流動比率とは

流動比率とは、ある一時点で支払能力があるかどうかを判断する代表的な指標になります。

計算式は、カンタン。

下記の通りです。

流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100

そもそも、流動資産とは、現金預金、売掛金や受取手形等の売上債権、棚卸資産等のことを言います。

通常の商取引によって生じたもので、1年以内に期限が到来する債権等のことです。

じゃあ、流動負債はって言うと、流動資産の逆ですね。

買掛金や支払手形等の買入債務、短期借入債務等のことを言います。

通常の商取引によって生じたもので、1年以内に期限が到来する債務等のことです。

 

ザックリ言うと、1年以内にお金が入ってくるものが流動資産、1年以内にお金が出ていくものが流動負債ってことです。

計算式は、これを比較して、率を出しているわけですよね。

ここまで分かればカンタン。

流動資産と流動負債、どちらが多ければ良いですか?

もちろん、流動資産ですね。

ってことは、具体的に数値で表すと100%以上ってことですね。

こうやって安全性を判断するわけです。

 

流動比率の目安

じゃあ、どれくらいだと安全だと言えるのでしょうか。

下記に、全企業と各業種の平均値を載せておきます。

業種 流動比率(%)
全企業 156.2
建設業 155.2
製造業 171.8
卸売業 152.3
小売業 149.5
宿泊・飲食業 89.6
サービス業 169.7

昔は、「2対1の原則」と言って、「200%以上を目指しましょう!」なんてことがあったそうですが、流動資産の中身が大切です。

現預金が大半を占めるなら問題ありませんが、現金化までに時間がかかる売掛金、受取手形、棚卸資産が多いと、流動比率が高いからと言って、安心できません。

敢えて言うなら、全企業の平均値が156.2%なので、せめて150%は目指したいところです。

 

勘違いに注意

流動比率を判断する時に、注意が必要です。

流動比率が低くても、問題ない場合があります。

例えば、現金商売もしくは売掛金の回収サイトが短い場合、在庫を抱えないもしくは在庫の回転が早い場合、買掛金の支払サイトが長い場合、等です。

逆に、流動比率が高くても、問題がある場合があります。

例えば、売掛金の回収が遅れているもしくは不良債権がある場合、過剰在庫もしくは不良在庫が多い場合、仕入サイトが短すぎる場合。

 

だから、流動比率の数字だけに惑わされないようにしましょう。

 

まとめ

資金繰りが厳しい場合は、流動比率を確認してみて下さい。

もし、異常値であれば、なぜこの数値になったのかを考えてみましょう。

資金繰り悪化の原因が見えてくるかもしれません。

そもそも、「赤字だ!」って場合は、まずは本業でどうやって利益を出すかを考える必要がありそうですね。

 

異常値かどうかは、もちろん指標を使うことも大切ですが、自社の過去の状況とも比較してみて下さい。

財務分析を行う時、なんとなく指標が欲しくなりますが、あくまでも目安です。

その中身が大切です。

そして、その数値の意味をよく理解しておかなければなりません。

うわべの数字に一喜一憂しないようにしたいものです。